-寄生獣-田村玲子が抵抗しなかった理由、考察。

好きな漫画で、寄生獣という作品があります。

巻数少な目で濃密な内容、もう何回読み返したのか…。

その中に、田村玲子という寄生生物が出てくるのですが…

田村玲子の最期

※以下ネタバレ含む

人間の脳を奪い、近くの人間たちを捕食する寄生生物ですが、中でも田村玲子は異質な存在でした。

「食事」の為に、手短な人間たちを虐殺する仲間たちと違い、田村玲子は自分たち寄生生物は一体なんなのか?を真剣に考えている様子。

男性の人間の脳を奪った仲間と、実験の為に性交をし、妊娠することに成功していました。

しかし、田村玲子の肉体に宿した生命は、どうやら何の変哲もない、人間の赤ちゃん。

そこで、主人公新一にこう問いかけます。

「だとすると、わたしたちはいったい何なの?繁殖能力もなくて、ただ共食いみたいなことをくり返す…こんな生物ってある?」

繁殖能力があるのか?を確かめるために生んだ赤ちゃんでしたが、いずれ人間たちと相対する時、何か交渉の道具になるだろうと育てることに。

そこには愛とか、情とか、そんな感情は一切ありません。

あくまでもただの道具。

 

のはずだったのですが…。

 

 

 

常に「なぜ生まれてきたのか…?」を考え続けてきた田村玲子。

物語の中盤、探偵の倉森に、育ててきた赤ちゃんを奪われてしまいます。

そこには感情なんて無いはずなので、放っておいてもよさそうですが、対面するため指定された場所に。

そこで倉森にこう告げられます。

だがやっぱりあんたにゃわかってねえよ!
人間の何たるか・・・
人の子の親の気持ちってものがな!

いまここでこの子供を殺しても
おまえは悲しんだりはしないだろう
「ああそうか」と思うだけだ
・・・違うか?

そう言って赤ん坊を殺そうとする倉森。

その瞬間、田村玲子は倉森を殺害。

赤ちゃんを守ろうと無意識に出た行動に、自分でも驚いている様子。

 

その後、倉森を追っていた刑事達が、田村玲子の元に辿り着きます。

刑事たちは銃撃を開始するのですが、田村玲子は反撃を行いません。

逃げることなど、難なく出来るはずなのに…。

田村玲子の行く先は、その日、同じ場所に呼び出していた新一の元でした。

そして、新一に赤ちゃんを手渡し、こう言います。

ずうっと・・・考えていた・・・・・
・・・わたしは何のためにこの世に生まれてきたのかと

1つの疑問が解けるとまた次の・・・
疑問がわいてくる・・・・・

始まりを求め・・・終わりを求め・・・・
考えながら、ただ・・・ずっと歩いていた・・・・・

どこまで行っても同じかもしれない・・・
歩くのをやめてみるならそれもいい・・・

すべての終わりを告げられても・・・
「ああ、そうか」と思うだけだ

しかし・・・
それでも今日また1つ・・・・
疑問の答えが出た・・・・・

新一・・・
この子供・・・結局使わなかった・・・・・
何の変哲もない人間の子供だ・・・・

人間たちの手で・・・・・
普通に育ててやってくれ・・・・・


この前人間のまねをして・・・・・
鏡の前で大声で笑ってみた・・・・・

・・・・・
なかなか気分が良かったぞ・・・・・・・

 

そして彼女は絶命します。

寄生生物には感情がないので無表情なのが特徴ですが、どこか安心したかのような表情に見えます。

考察

この場面ですが、作中で言及されていないので、読者がどう受け取るかってことになるので、こういう考え方する人もいるのね~ってスタンスで読んでいただけると幸いです。

自分はこう思った!などのご感想も是非、お待ちしております!

SNSとか、お店やってるので直接言いに来てくださいw

 

結論、

 

子孫を残すため

 

と自分は考えました。

 

田村玲子は、「自分」そして「種」としての存在意義を考えていました。

作中、大学の講義を受けているシーンがあります。

「種」ではなく「自分」さらに「自分の遺伝子を受けつぐ子孫たち」こそ大事なのだ———

 

生き物であるのに繁殖能力がない、寄生生物…。

道具として育て続けていた赤ん坊、ですが…

自分が人間の脳を奪っていなければ、生まれなかった存在とも言えます。

例え血はつながってなくとも、種が違っても…。

なのでそこに、自分が生まれてきたという意味を見出したのじゃないかと思います。

 

終わりに

元々、違う記事を書く予定だったのですが、寄生獣の話を出したら収拾が付かなくなり結局別の記事として書きました。

元々予定していた記事はこちら↓

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